私は最初にこの男性は友人なのだと決めて
(決めると言うか、ごく自然に友人だと認識して)
付き合いだした場合、途中で変更(恋人とか?)が
絶対にきかない女だ。
本当は、女の人の殆どはそうだと思っていたが、
最近、そうでもない人も多い事に気づいたので
これから書く事は私の考えとしておこう。
異性なのに最初から友人としてしか認識しない場合って
何だと思う?
私の場合で言えば、
1彼女が既にいる同僚。(まあ、いい大人ってことで)
2幼なじみ
3友達の彼
この3つは文句無く友人でしょう。
他にもいろいろあると思うけど、
あくまでも、この人見知りの私がすんなり男の友人として
受け入れる例としてはこの3つなのだ。
1と3はいくら私の好みのタイプだろうが、なんだろうが
友人以外の何者でもない。
だって、自ら好きな異性が居ると言う事を明かして
私と接してる訳だから、
もう、私は最初から友人と言うカテゴリーに入れてしまう。
だが、ここで誤算が生じる。
1の場合は同僚の中でも趣味があったり話があったりして
誰よりも気の合う同僚になったとしよう、
私としては、気の合う男友達が出来たと喜ぶが
なぜか、相手はそうじゃなかったりするのだ。
彼女が居るにもかかわらず、
私が友人だからこそ
気を許しているのを知っているにもかかわらず
私が他の同僚と飲みに行ったり、話したりしていると
やきもちを焼いたり邪魔をしたりするのだ。
これって、変じゃない?
「いつから、私はあんたの彼女になったのよ!」って怒ると
複雑な顔をして笑ったりして。
そこで気づく、
この人、
「べつに彼女ありきでも
他の子を好きになっても構わないんじゃないの?
そんなに大げさに考えないでもさ」てな位な気持ちで
私と付き合っていることに。
もう、そうなると友人としてなんか思えない。
ましてや、特別な異性としてなど思える訳も無く
せっかく築いた友人関係も終わる事となる。
次の日から私の中では、もう単なる同僚の一人にすぎない。
そんな、いきなり冷たいって思われるかもしれないけど
私は筋を通さない人が嫌いだ。
付き合うかは別としても、まずは
「君と付き合いたいので、彼女と別れて来ました」
って人じゃなきゃだめでしょう。
どう考えても、同僚の行動は私にも彼女にも失礼だと思った。
ここで早くも私の男の友達構想は暗礁に乗り上げる。
だが私にはもう一人、気の置けない男友達が居た。
彼の名は拓ちゃん、近所に住む幼なじみで
同じく近所に住む祐子ちゃんと私の3人は
幼稚園から中学まで同じ学校に通い、
親同士も仲が良く、殆ど兄弟のように育った。
私にとって、拓ちゃんは昔からハナタレのガキ大将で
幼なじみの何者でもなかった。
ここで、ひと言。
そう思うのは私だけなのかなあ..
最近のドラマとか漫画は幼なじみの彼や彼女に
想いを寄せる
ストーリーばかりでその多さに驚くことしばしば。
だが私の思いは変わる事は無かった。
なぜなら、拓ちゃんは祐子ちゃんが好きだったからだ。
もともと私には友達以上の気持ちは持っていないようだったし。
祐子ちゃんは髪の長いそりゃあ可愛い女の子で
拓ちゃんの家と隣同士だったのでそれを拓ちゃんは
友達に自慢していた。
(祐子ちゃんにはその気は無かったけどね)
そんな拓ちゃんも中学になると
野球部のレギュラーになりそのひょうきんな性格で
みんなの人気者となる。
私のクラスの女子の何人かは告白していた。
その頃の私は初恋のY君しか見えない状態で
たまに拓ちゃんと廊下で合っても
「良かったじゃん、モテて」ってからかうくらいだったと思う。
高校は私と祐子ちゃんは都立に進学し
拓ちゃんは都心の付属の私立校に進学したので
それからはもう殆ど合う事もなかった。
それがなんと私は拓ちゃんと驚く所で再会することとなる。
それは私が短大1年の時である。
高校時代の親しい友人が青山学院大学に入学し
音楽のサークルに入ったので
学園祭でそのサークルのミニ・
コンサートへおいでよと
誘われたのだ。
そのサークルのコンサートを小さな
教室の片隅で見ていたら
「mint?なんでここに居るの?」と声を掛けて来た人がいた。
振り返ると、そこに拓ちゃんがいた。
なんと拓ちゃんは違う大学ながら
青学のそのサークルに入部していたのだ。
久しぶりに見た拓ちゃんは
スリムになって背も高くなり
当時で言えば、中村雅俊によく似た好青年になっていた。
と、ドラマだったらここで
主人公は胸キュンくらいするのだろうけど
私にとっては、幼なじみに変わりは無く
「痩せて良かったね〜(笑)」って
弟のダイエット成功を労うかのように感想を述べただけだった。
ひょんな事で出会ったことから
幼なじみとしての交流が復活した。
交流と言っても、別に映画を観に行く訳でなく
道で合ったりすると
「お茶でも飲むか?」ってな感じで
お互いの近況を話したり、
くだらない話で盛り上がったりするくらいだった。
そんなことを数回繰り返しながら
別に何事も無く私達は社会人となった。
私が入社した商社は上司やら取引先やら
付き合いで飲みに行かされる(飲めないのに)機会が多く
しかも、不倫志望の男性からのちょっかいに
ほとほと嫌気がさしていた。
そんな時だ、商店街のそばの橋を浮かない顔で歩く私を見つけた
拓ちゃんが
「オウ!何しけた顔して歩いてるんだよ」と声を掛けて来た。
私は会社関係の既婚者から誘われる事で
とても落ち込んでいることを愚痴った。
すると、暫く真剣に聞いていた拓ちゃんが
「そんな会社、辞めちゃえよ。他の会社探せばいいじゃん。
もし見つけられなかったら、俺が嫁さんにしてやるよ」と
笑いながら言った。
「何言ってるのよ!やだよ。嫁なんか行く訳無いじゃん。
そうだね、会社辞めちゃうってのも有りだね〜」
なんか、拓ちゃんに愚痴っていたら
気も晴れたし、ちょっと明るい気持ちになった。
やっぱり、幼なじみっていいなあ…って
しみじみ、男友達の有り難さを感じたのだ。
その後、何社も仕事を変えて
独身街道を突っ走る私を拓ちゃんは呆れながら
「お前、
結婚しないのか?」と心配してくれた。
その度、
「ま、最後は俺が貰ってやるから」と
冗談めかして言うのも忘れなかったが。
ただ、このあたりから私もちょっとおかしいなあとは感じていた。
もしかして、
本気で私に嫁に来いって言っているんじゃないのだろうか。
でも、私はそう思いたくなかった。
だって、私にとって拓ちゃんは幼なじみで
大切な存在だけど、
今まで、一度も男性としてみた事は無かったからだ。
幼なじみだからこそ、心の中の悩みも隠さず話せた、
拓ちゃんの彼女の事も親身になって心配も出来たのだ。
この大事な関係を壊したくなかった。
だから私はず〜っと拓ちゃんの密かなプロポーズにも
気づかない振りをしていた。
そんなことを繰り返しながら私達も26歳になっていた、
両親達もそろそろ結婚の話をするようになり、
特に私は、結婚相談所に入ってくれって
強引に入会させられた。(笑)
そんなある日、拓ちゃんから駅前の喫茶店に呼び出された。
「久しぶり!何?」と聞く私に拓ちゃんは
ちょっと、悲しげに
「俺、結婚することにしたよ。おやじの会社の部下の子なんだけど
良い子だし。親も勧めるからさ。
俺もそろそろ身を固める年だしな。」
ちょっとびっくりしたけど
「へ〜!良かったじゃない。おめでとう」って言うと
拓ちゃんは心配そうに
「mint 、大丈夫か?そのまま独身で居ても
もう俺、嫁に貰ってやれないんだぜ」って私を覗き込んだ。
「何言ってるのよ。最初から拓ちゃんを当てにしてないっちゅうに!」
と私は笑って答えた。
それから、半年後、拓ちゃんはめでたく結婚することとなる。
私は心から祝福していた。
結婚式の1ヶ月前に私は何年も前から拓ちゃんと約束していたのに
果たせないでいた約束を果たす為に
拓ちゃんの仕事場へ友人と共に向かっていた。
実は拓ちゃんはおまわりさんで
墨田区にある交番に勤めていた。
「一度で良いから、差し入れ持って陣中見舞いに来いよ」と
言われていたのだ。
結婚してから訪ねるのはまずいので
その前にと、友人を誘ってその交番を訪ねたのだ。
交番には拓ちゃんとその上司の人が居た。
私の顔を見るなりその上司は
「君が愛しのmintちゃんかあ」と言った。
「えっ?」と驚く私にその上司は
拓ちゃんが席を外したのを見ると
「ヨモヤマさん、あんたは罪な人だよ。拓は
ずーっとあんたの事が好きで結婚したかったのに
あんたがつれないから、諦めて他の人と結婚する事にしたんだ。
いいかげん、諦めなきゃってさ。
俺、ず〜っと相談に乗ってて、拓が可哀想だったよ」と
私を責めた。
私はその時に初めて、拓ちゃんの気持ちが真剣だったと
知る事になったのだ。
でも、私は聞かなかったことにした。
だって、私が拓ちゃんを振ったなんてことには
絶対にしたくなかったからだ。
私にとって拓ちゃんは大事な友人のままでいてほしい。
そうしんみり思ったのもつかの間、
部屋に戻って来た拓ちゃんはケロッとしながら
「新婚旅行、
オーストラリアなんだ。なんか名産が
オパールらしいから
mintに指輪買って来るな(笑)」と言うではないか。
「バカじゃないの!!奥さん居るのにあたしに指輪なんか買わないでよ」
と怒って辞めさせた。
こいつ、まさか結婚してでも私と合うつもりじゃないでしょうねえ。
「そんだけ、惚れられてりゃ女冥利につきるじゃん」と
友人は言ったが、
もう、惚れて欲しくないんだってば!!
まあ、拓ちゃんも馬鹿じゃないとみえ、結婚してからは
連絡も寄こさなくなり、
子供も2人出来幸せな家庭を築いたようだ。
そして、私も29歳の声を聞いた後、
相葉ちゃんの協力のもとめでたく嫁入りが決まった。
そんな時おばさんから聞いたらしく、拓ちゃんから連絡が来た。
「結婚のお祝い渡すから、ちょっと駅前まで出て来なよ」
待ち合わせの場所に行くと拓ちゃんは
祝儀袋を渡しながら
「ホントに結婚するんだなあ…」と
しみじみ言ったかと思ったら
「もし、出戻って来る事があったら、俺に連絡しろよ。
俺も離婚して、嫁に貰ってやるから」と笑いながら言ったのだ。
「あのね!!これから結婚する人に向かって何言っているのよ。
縁起でもない!!」って怒ったら
「ごめん、ごめん。冗談だから」とげらげら笑っている。
そうか、冗談か。なら良かった。
本気で言われたらシャレにならないところだった。と
胸をなでおろしたのである。
あれから、十数年。
お互いにおじさん、おばさんになりそんな事もあったなあと
懐かしく思う今日この頃。
やっと本当の友人として合えるねと
小学校の同窓会に行った。
私よりちょっと遅れて拓ちゃんは会場にやって来た。
すると一直線に私の席の横へ来たかと思ったら、
ずーっと私の隣に座り、
絶対に他の男の友達と話をさせない。
(あのねぇ・・・・・・・・・・・・・・・・・呆)
やっぱり、男の友達ってなれないものなのか。
私はただ、本当の友人になりたいだけなのに。
そう溜息をついたのである。


Ps. この話は今まで、誰にも話さなかった話で、
親しい友人もところどころは知っていても
全容は知らないのだ。
ず〜っと黙っていようと思っていたけど
私を知らない(有る意味ではかなり知られてるけど)
皆さんになら良いかなとこっそりお話することにしました。
ところで、拓ちゃんですが
〜私の中では今でも幼なじみです。〜
長嶋さんの様に宣言しておこう
その気持ちは永遠に不滅です!と。